誘拐 (角川文庫)

誘拐 (角川文庫)

パブリッシャー
角川書店
価格: ¥546

誘拐 (角川文庫)のレビュー

「トランスミッション」――誘拐の片棒を担がされた推理作家
◆「トランスミッション」(法月綸太郎)

  数年前に子供と死別し、妻とも離婚したハードボイルド作家の「僕」。
  そんな彼のもとに、あなたの子供を誘拐したという電話が掛かり……。


  村上春樹風の文体で綴られるファンタジックな作品。

  ミステリとしては、きれいに割り切れるものではありませんが、
  『ヤッターマン』のドロンジョ一味のお面をかぶった誘拐犯を
  登場させるなど、作者本来の資質にはない幻想的なテイスト
  を採り入れようとする姿勢がうかがえ、微笑ましいです。
  


◆「重ねて二つ」



◆「懐中電灯」



◆「黒のマリア」



◆「シャドウ・プレイ」



◆「カット・アウト」



誘拐のさまざまな形
 1995年にカドカワノベルズとして出たものの文庫化。
 「誘拐」をテーマとしたアンソロジーで、有栖川有栖「二十世紀的誘拐」、五十嵐均「セコい誘拐」、折原一「二重誘拐」、香納諒一「知らすべからず」、霞流一「スイカの脅迫状」、法月綸太郎「トランスミッション」、山口雅也「さらわれた幽霊」、吉村達也「誰の眉?」の8篇が収められている。
 誘拐はまだまだ掘り下げがいのあるテーマと思う。密室トリックなんかにくらべると、まだまだネタが残っているだろう。本書でも、思いもよらないようなトリックが使われているものが多く、新鮮に感じた。
 いや、どれもあっと驚くような趣向が凝らされている。
 すぐれたアンソロジーだろう。