梟の拳 (講談社文庫)

梟の拳 (講談社文庫)

パブリッシャー
講談社
価格: ¥940

梟の拳 (講談社文庫)のレビュー

暗闇の中を手探りで進む、まさにハードボイルド
主人公は元世界チャンピオンのボクサー。
今ではその栄光だけにすがって余生を送るアウトサイダーだ。
ハードボイルドではありがちな設定。

だけど、珍しいのは彼が失明しているということ。
ボクシングが原因の網膜剥離で、失意のどん底に落ち込み、半ばやけくそに生きている。そんな彼が、身の回りで殺人事件が起こったのをきっかけに、少しずつ闘争本能を取り戻していく。
脅しにも屈せず、見えない目で粘り強く真相を追い続ける姿は、ひとりの男の再生の物語でもある。

<障害>をテーマにしたフィクションの小説って、あざとさが見えて好きになれないことが多いのだが、これは手放しで褒めたい。
ハードボイルド小説の傑作です。